自衛隊法 2013 1 6

書名 要撃の妖精
著者 夏見 正隆  徳間文庫

 今では、イージス艦が世界最強の艦船であると、
国民の間に広く知られるようになっています。
 しかし、現実には、イージス艦は、
簡単に沈められてしまうでしょう。
 これは、日本特有の「特殊な事情」があるからです。
自衛隊法と関連法令の存在が、イージス艦を「ただの鉄の塊」と変えてしまうのです。
 イージス艦が、その能力を発揮できるようにするためには、
内閣が、関係閣僚による安全保障会議を開催して、
その会議で、「防衛出動」の答申を得なければならないのです。
その上で、内閣総理大臣は、国会の承認を得た上で、
防衛出動の発令をすることができるのです。
 しかし、こうした手法は、江戸時代の発想でしょう。
ミサイル時代の現代においては、時代遅れのものと言えるでしょう。
 そもそも、関係閣僚は、それぞれの立場があるので、
会議が紛糾するかもしれません。
 この本でも、当然、懸念されるシーンが出てきます。
本の内容とは、状況が、少し違いますが、
わかりやすいように、私が書き直しました。
 国籍不明機がイージス艦に接近。
 しかし、「防衛出動」どころか、
「海上警備行動」も発令されていないので、
イージス艦は、通常勤務のまま。
 当然、艦内では、どうするか議論になります。
しかし、結局、艦長が、現時点では、
「防衛出動」も「海上警備行動」も発令されていない以上、
「我々には、何もできない」としてしまいます。
 そもそも、国籍不明機は、単に威嚇のために、
イージス艦に接近しているのではないのかということになったのです。
 しかし、国籍不明機は、250キロ爆弾を装備していたのです。
その爆弾が、20発投下され、
あっさりとイージス艦は、海の藻屑となって消えていくのです。
 もちろん、イージス艦には、
「防衛出動」が発令されていなくても、
正当防衛の権利があります。
 しかし、急降下爆撃によって攻撃されてしまった後では、
正当防衛どころではありません。
 この本では、もうひとつ問題点が指摘されています。
イージス艦の艦長は、防衛大学文系の出身が多いという。
 つまり、戦闘のプロというよりも、
法律や規定の専門家という感じでしょう。
 これでは、国民や国家を守るよりも、
つい法律や規定を守ることに夢中になってしまいます。
これは、「法律家」の悪い癖と言えるでしょう。
 さあ、中国や北朝鮮は、どうするか。
今までは、イージス艦は海の要塞だから、
怖くて近寄れなかったでしょうが、
実際は、「ただの鉄の塊」とわかった以上、
どういう行動を取るでしょうか。
 これは、中国や北朝鮮の問題ではありません。
こんな欠陥法律を長年放置してきた日本の政治家の問題です。




























































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